NUWA Robot SDK 日本語チュートリアル

ver 1.0.1

目次

NUWA Robot SDKとは?

"NUWA Robot SDK"は、NUWA Robotics 製のロボット(2019年11月現在、日本ではケビーのみ対応)用のアプリ開発キットです。Android Qをベースに動作しており、Android Studioを利用してアプリを作成することが可能です。

開発環境と関連資料

NUWA Robot SDKは、次の開発環境をサポートしています。

最新情報は、公式ホームページで公開しています。

NUWA Robot APIが含まれるAndroid Archive(aar)の他、サンプルコード、チュートリアルなどを提供しています。

※ 本ドキュメントは、初心者向けの日本語チュートリアル(オリジナル)となります。NUWA Robot SDK Manual 1.1 をベースに解説しています。最新の情報は公式のドキュメントを参照してください。

本ドキュメントの役割

本ドキュメントでは、NUWA Robot SDKの簡単な使い方を解説しています。NUWA Robot SDKの概要については、NUWA Robot SDK Manual、APIの詳細につきましては、NUWA Robot SDK Javadoc を御覧ください。

本ドキュメントの開発機材について

ケビーのアプリは、WindowsでもMacでも開発が可能です。本ドキュメントでは、Mac(Catalina)で開発を行っています。

開発環境の準備

開発には、Android Studioが必要です。最新版のAndroid Studioを用意してください。

Android Studio

※本ドキュメントでは、執筆時の最新版である 3.5.2 を使用しています。

ケビーを開発者モードにする

最初に、以下の手順で、ケビーを開発者モードに設定します。

ケビーの設定画面を開き、一番下の「紹介ケビー」を選択する

setting

メニューの「紹介ケビー」を10回連打すると、開発者向けの設定が追加されます。

setting_end

「HOME SETTING」を押すと、Androidの設定画面に遷移します。

android_setting

この画面から、「端末情報」にある「ビルド設定」を探して、「ビルド番号」を連打してください。「システム」の「詳細設定」に「開発者向けオプション」が追加されます。

開発者向けオプションをONにして、USBデバッグを有効にしてください。これで、パソコンとケビーを接続できるようになります。

debug_on

ケビーとパソコンの接続

ケビーをUSBケーブルで接続します。

Please get USB password from [NUWA Robot SDK Manual]

※ 自分の環境では、手持ちのUSB-Cケーブル(両端ともにUSB-C)だと認識しなかったので、ケビーに付属しているUSB-Cケーブル(USB-CとUSB-2.0)に変換アダプターをつけたところ正常に認識しました。

Android アプリの作成

それでは、簡単なKebbi用のアプリを作成してみましょう。

Android Studioを起動して、プロジェクトを作成します。

「Start a new Android Studio project」を選択して、新しいプロジェクトを作成します。

NewProject1

プロジェクトの種類を選択します。

「Empty Activity」を選んでください。

NewProject2

プロジェクト名を決定します

今回は、「HelloKebbi」という名前にしました。

※ Languageは、Javaを選択してください。

※ Minimum API level は、「API 26: Android 8.0 (Oreo)」を選択してください。

NewProject3

ライブラリの設定

NUWA Robot API を利用するためのライブラリを設定します。

AARファイルのコピー

最初に、左上のメニューから「Project」を選択します。

aar1

次に、appフォルダの中のlibsフォルダに、KiwiSDKの最新版の.aarファイルをコピーします。

aar2

コピーが成功すると、このようになります。

aar3

appフォルダの中の「build.gradle」の一番最後に、以下の記述を追加します。

aar4

最後に、「build.gradle」のdependenciesの最後に以下を追記します。

aar5

APIの初期化

それでは、プログラムを作成していきましょう。

appフォルダの中にあるsrcフォルダから、MainActivity.javaを探してください。

main1

AppCompatActivityに、以下の行を追加します。(自動的に、NuwaRobotAPIを利用するためのimportが追加されます。以下同様です。)

main2

onCreateに、APIを使うための初期処理を記述します。また、イベントを処理するための関数も用意しましょう。以下のようにonCreateを書き換えてください。

main3

イベントリスナー

次に、ケビーから発生するイベントのリスナーを定義していきましょう。

先ほど作成した「void registerNuwaRobotListener」の中に以下をコピペしないで記述していってください。

そうすると、こんな感じで入力補助が出るので選択します。

event1

閉じカッコでエラーになっているので

event2

このように修正します。

event3

修正が終わったら、以下のプログラムも追加してみてください。

最終的に、registerNuwaRobotListenerは、以下のようになります。入力補助がうまく出来なかった場合は、以下のソースをコピペしてみてください。

これで、プログラムの準備はできました!

ハロー!ケビー!

おまたせしました!ケビーを喋らせてみましょう。先程追加したイベントリスナーの中から、onWikiServiceStartを探して以下のように修正してください。このイベントは、APIの初期化が終わったら呼び出されるイベントです。

最後にもう一つだけ、イベントリスナーにログを入れてみましょう。

onTTSCompleteは、ケビーの発話が終わったら呼び出されるイベントです。ケビーに連続した発話や動作をさせたい場合に役に立つでしょう。今回は最初なので、ログを確認できるようにしておきます。

プログラムを動かそう!

それでは、プログラムを実行してみましょう。パソコンにケビーが接続されていれば、左上の機種名のところにケビーが表示されているはずです。再生ボタンをおせば、プログラムが実行されますよ!

run1

どうでしょう?ケビーはちゃんと話してくれましたか?ついでに、ログも確認しておきましょう。ログの検索に「KEBBI」と入れておくと、余計なログが表示されないので便利です。

run2

アプリの終了

アプリを終了させるには、Android Studioの停止ボタンを押してください。ケビーの頭のボタンをおしても見かけ上は終了したようにみえますが、実際はアプリは動作しています。

end1

実行したアプリは、自動的にケビーのメニューに追加されます。次回以降は、こちらからアプリを起動させることも出来ます。

end2

他のアプリのように、プログラム名を指定したり、アイコンを素敵なものに変えれば、あなただけのオリジナルアプリが完成しますよ!

チュートリアル完了!

おつかれさまでした、これでチュートリアルは完了です。ケビーのアプリを作るための基本的な流れは理解できたかと思います。とはいえ、まだまだやってみたいことはたくさんありますよね?

まずは、

[NUWA Robot SDK Manual(日本語訳)] NUWA Developer 

を読んでみましょう。このドキュメントには、ケビーのアプリを作るためのAPIの使い方が完結に紹介されています。また、公式サイトにもサンプルプログラムなどが公開されているので、参考にしてみて下さい。

たとえば・・・

などといったことが出来るようになりますよ!

とはいえ、まだまだ、ケビーのプログラム環境は充実しているとは言い切れません、みなさんが挑戦したこと、やってみたこと、実際に作成したアプリケーションなど、ぜひqiitaなどで公開していただければとおもいます!

よろしくおねがいします!